ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ

 
ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート】

Spezzatino di maiale con ceci speziatoスペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート

スペッツァティーノはイタリア料理の古典料理です。スパイスと唐辛子が加わると我々日本人においてはカレーの認識に至るのですが、スペッツァティーノです。

牛肉でも、鶏肉でも、ひよこ豆エンドウ豆レンズ豆に至るまで、さまざまな食材を使って作ることができる煮込み料理で豊かでコクのある風味が生まれます。

今回のレシピは、豚肉を使ったひよこ豆入りのスパイシースペッツァティーノです。

以前、カレー風味のジャガイモを紹介した際に、カレーが我々が知っているもののように辛くなったのは17世紀頃であることに触れました。

新大陸原産の唐辛子がカレーの主な辛み成分だからです。

インドにおいてはカレーという料理は存在せず、これは大英帝国が香辛料を使ったインドの煮込み料理をカレーであるとして喧伝した結果、世界的な認識となり、現在のインドにおいても外国人向けには、〇〇のカレーと表記するようになったのだそうです。

言い換えればやっぱり現在もインドにおいてはカレーという表記はなくあくまでそれぞれの煮込みスープ料理なのです。

以下、余談ですが、ナンもインドのものではなくイラン発祥のものです。我々認識のカレーは、北インドではチャパティと呼ばれるクレープのようなパンを付け合わせとして食され、南インドでは米と食べるそうです。

話がそれました。スパイスを使用した煮込みというものはイタリアにおいてもそれ以前から当然存在していましたので、唐辛子の伝来と使用タイミングかと考えますが、ルート的にはイタリアに伝播したタイミングの方が早いのは明らかであり、この料理がスペッツァティーノである理由なのかもしれません。

イタリアにおいてもカリーを調理することは割と一般的なようで、スパイシーなスペッツァティーノとの違いを比べてみると、中世以降、人気が下火であった(イタリアにおいて)とされるコリアンダーを明確に使用するとされているのがカリーのように見て取れますが、確証はありません。


ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ材料4人分

豚ロース肉 300g
乾燥ひよこ豆 100g
(レッド)ハーブ 30g(代用:バジル&ほうれん草)
玉ねぎ1個
ビール 500g
トマトペースト 20g
ジュニパーベリー 3粒(代用:ローリエ)
オリーブオイル適量
塩・胡椒適量
チリ(カイエンペッパー) 小匙1
ターメリック 小匙1
シナモン 小匙 1
以下市販カレー粉小匙1で代用可
香り系(クミン、コリアンダー、クローブ、ナツメグ、オールスパイス、ガーリック)
辛み系(ジンジャー、黒胡椒)
ミックス系(ガラムマサラ)
全て極少量で合計小匙1で収まるように量調整

1人分:約361カロリー


ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ調理工程(約90分)

STEP1 まず、調理の前日からひよこ豆を一晩水につけておきます(乾燥を使用の場合に限ります。そしてニンニクとローズマリーで炒め、水から1時間煮込んでおきます)。

肉を約2.5cmの立方体に切り、続いて玉ねぎを薄切りにします。

そしてハーブを細かく切ります。レッドハーブは恐らくイタリアンレッドチコリを指すのかなと考えたのですが、手に入らなかった為、バジルと頂き物のほうれん草のミックスで代用しました。
ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート】の調理工程1
STEP2 鍋にオリーブオイルを適量入れ、玉ねぎを入れ、下塩をして柔らかくなるまで弱火で炒めます。

次にひよこ豆を加え、数秒間炒めて全体になじませてから、角切り肉を加えます。

肉の全面に焼き色をつけます。
ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート】の調理工程2
STEP3 ハーブを加え、トマトペーストで味付けします。

次にスパイス類を投下し、ジュニパーベリーを加えます。

全体をよく混ぜ合わせて、ビールを加えて弱火で約 1 時間煮込みます。
ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート】の調理工程3
STEP4 煮あがったら、塩味チェック、胡椒をまぶして味を調えたら仕上げです。

皿に盛り付けて付け合わせにライスやパンを添えて完成です。
ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート】の調理工程4

ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノの調理ポイント

スパイスを調合するというのがあまりなじみがないかもしれませんが、スパイスそのものを用意できてしまえば何ら難しいことはありません。

こだわりつくしてどの配合を考えればキリはないと思いますが。

料理そのものは通常のスペッツァティーノと同じく非常に簡単、一つ一つの工程でしっかりと食材の旨味を引き出しつつ煮込んでいくだけです。

非常に美味しい一皿が出来上がりますよ!


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記事内食材解説・補足
カレー[curry]多種類の香辛料を併用して食材に味付けするというインド・スリランカ料理の特徴的な調理法を用いた料理に対する英語名です。 カレーはの語源は、タミル語の[スープの具]を意味する「KARI」が有力だと言われて ... [詳細解説へ]
読み方:キャリー
シナモン[cannella]読み方:カンネッラ
分類:香辛料
代用品:バニラエッセンス
ジュニパーベリー[bacche di ginepro]別名ねずの実。ここで登場するのは、セイヨウネズなので、日本の杜松(ねず)とは実は種類がことなります。洋酒のジンの香り付けや、肉料理、ドレッシング、ザワークラウトなどに用いられます。普段あまり使うことが ... [詳細解説へ]
読み方:バッケ・ディ・ジネープロ
代用品:ローリエ
スペッツァティーノ[spezzatino]スペッツァティーノは煮込み料理(ラグー)の一種で、日本語訳では「シチュー」となります。 肉の種類は指定がなく、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉、兎肉等、様々な食材で調理されます。 イタリア語圏の中でも一つの議題 ... [詳細解説へ]
読み方:スペッツァティーノ
分類:ラグー
ターメリック[curcuma]秋ウコンのこと。
読み方:クールクマ
分類:香辛料
代用品:ウコン|カレー粉|
トマト[pomodoro]イタリア料理で非常によく使われる食材。大航海時代後にイタリアにも持ち込まれたが当初は観賞用。18世紀初頭より料理に使われるようになった比較的新しい食材です。 トマト、チェリートマト(ミニトマト)として ... [詳細解説へ]
読み方:ポモドーロ
ビール[birra]読み方:ビーラ
分類:酒
ひよこ豆[ceci]歴史上、最古の記録としてヒヨコマメが登場するのは7500年前、アナトリア半島(現トルコ領)のハジュラルと言われています。 乾燥豆から下茹でした場合の重量変化は220%と言われています。 乾燥ひよこ豆の ... [詳細解説へ]
読み方:チェーチ
ラグー[ragu]かつては肉(時には魚や野菜も)を小さく切り、低温でしっとりと調理する調理法すべてをラグーと言ったそうです。つまり煮込みのことです。 ラグーという用語が使われ始めた時期は明らかではないそうですが、「ラグ ... [詳細解説へ]
読み方:ラグー
分類:調理法
レンズ豆[lenticchia]古くから栽培されているマメ科(またはマメ科)の双子葉植物です。タンパク質と鉄分が豊富で、さまざまな品種のレンズ豆があります。 乾燥豆から下茹でした場合の重量変化は200%と言われています。 ギリシャの ... [詳細解説へ]
読み方:レンティッキア
分類:豆
ローリエ[laurier]ローリエはスパイシーな香りが特徴的な月桂樹の葉を乾燥させた香辛料のことです。日本では、「月桂樹の葉」「ベイリーブス」「ローレル」「ロリエ」などさまざまな呼び名で呼ばれています。
読み方:ローリエ
分類:香辛料
代用品:ローズマリー|セロリの葉|ナツメグ
唐辛子[peperoncino]読み方:ペペロンチーノ
分類:香辛料
玉ねぎ[cipolla]読み方:チポーラ
分類:香味野菜
豚肉[maiale]読み方:マイアーレ
分類:肉

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