Orecchiette con le cime di rapaオレッキエッテ・コン・レ・チーミ・ディ・ラーパ
オレッキエッテ・パスタは「レッキテッレ(Recchitelle)」または「ストラスチナーティ(Strascinati)」とも呼ばれ、カブの葉のオレキエッテ(Orecchiette con le cime di rapa)は、プーリア州、特にバーリを代表する料理のひとつであり、最も人気のあるカブ料理の一つだそうです。
この地域では、ブロッコリーやトマトなど、カブの葉以外の付け合わせも含めて、この地域ではよく作られています。
伝統に従って、香りを保ちよく吸収するためにカブの葉を沸騰したお湯で調理し、アンチョビのオイルをベースにニンニクで風味付けします。
カブの葉のオレキエッテは伝統的な農民料理で、シンプルですが、素朴なおかずであるカブの葉の炒め物(Cime di rapa in padella)と同じく、強い風味の組み合わせから生まれる独特の味が特徴です。
カブの葉を食する習慣が殆どない日本では、菜の花(Fiori di colza)で代用、菜の花のオレッキエッテ(Orecchiette ai fiori di colza)として頂くとよいと思います。
菜の花(なのはな:Fiori di colza)は、アブラナ科アブラナ属の花の総称ですので、イタリアにおけるCime di rapaは、かなりの品種があるようですし、日本における菜の花とほぼ同じ品種のものもあるのではないかと想像します。
デュラム小麦セモリナ再粉砕について
オレッキエッテを作る際に指定されるデュラム小麦セモリナ再粉砕についてです。デュラム小麦は、グルテンをよく含み、弾力性があるパスタを作りやすいのでオレッキエッテに都合がよいのは理解ができます。
しかし、わからない部分があるのです。セモリナは、粗挽き粉を指すもので、このデュラム小麦セモリナは、デュラム小麦の胚乳だけを原料とした粗挽き粉であると理解しています。
ですが、このオレッキエッテを作る際には再粉砕です。粉砕は細かくする(⇔挽砕)のです。恐らくは、オレッキエッテにとって最適なグルテンが多いデュラム小麦セモリナが都合がよいけど、パスタにするのに粗いとまとまりにくく、パスタ用に細かくしたものをという指定なのだろうと想像していますが、確認や理解があまりできていません。
出来上がりとしては美味しいです。通常調理では出来上がりの乾燥パスタを使っていますが、割と簡単に自家製パスタが作れる為、作り方を記載しておきます。
付け合わせ料理として炒め物も非常に美味しいです。
カブの葉のオレッキエッテ材料3人分
パン粉 50g
塩適量
ニンニク 1欠片
アンチョビ3
唐辛子1~2本(オプション)
オリーブオイル 30g
オレッキエッテ300g用
ぬるま湯 100g
デュラム小麦セモリナ再粉砕 200g
塩適量
代用は乾燥パスタ(オレッキエッテ)240g
1人分:約448カロリー
カブの葉のオレッキエッテ調理工程(約45分)
デュラム小麦セモリナ粉をペストリーボードの上にくぼみを作って敷きます。塩をひとつまみ加え、室温の水を中心に注ぎます。
指を使って小麦粉を混ぜ込み、均一で弾力のある生地10分ほどこねます。良い感じの生地になったら丸い球状にまとめて、布をかぶせて室温で約 15 分間休ませます。
休息時間が経過したら、乾かないように作業する生地のみを都度取り出だすようにし、作業を続けます。残りは布をかけたままにしておきます。
生地を直径1センチ程度の棒状に伸ばし、それぞれ1cm程度の間隔に切ります。滑らかな刃のナイフを使って、各小さなパスタをオレッキエッテ(小さな耳)の形にしていきます。
全てオレッキエッテの形になったら完成です。
適当な大きさにカットしておきます。
ゆで汁を準備している間、大きめのフライパンにオリーブオイルを半量入れ、パン粉をきつね色になるまで中火でトーストします。
出来上がったら仕上げに使うので、一旦別に確保しておきます。
乾燥パスタを使用する場合
湯が沸騰したらカブの葉と乾燥パスタ(オレッキエッテ)を同時に入れて茹で始めます。
自前の生パスタを使用する場合
先行してカブの葉を約5分間茹で、その後、オレッキエッテを加えて茹でます。
同時に茹で上がるように茹で始めの調整をして、パスタがアルデンテ(乾麺だった場合は、表記時間ちょうど)でゆで上げる予定です。
フライパンに残りのオリーブオイルを注ぎ、スライスしたニンニクとアンチョビの切り身を加えます。
木べらでかき混ぜてアンチョビを溶かし、味が染み込よう2分ほどい為とかします。
アンチョビをとかしたらベースソースの完成です。
(ニンニクを取り除きたい場合は、軽くつぶして1欠片をそのまま投下し、アンチョビを溶かしてベースソースが完成したら取り除きます)
火を消してパスタが茹で上がるのを待ちます。
軽く炒めて塩で味を調え、ベースソースと茹で汁をしっかりとパスタにあえ煮込み(リゾッターレ)閉じ込めたら仕上げです。
さらに盛り付けてオリーブオイルとパン粉を散らしたら完成です。
カブの葉のオレッキエッテの調理ポイント
パン粉をトーストしすることと、カブの葉とパスタを一緒に茹でる工程(食材とパスタを一緒に茹でるタイプの調理)があるものの、調理そのものは非常に簡単です。
カブの葉を食べる習慣がない日本においてはスーパーでは葉が取られてしまっていることが多く、確保しにくいかもしれません。
しかし、驚くほどに美味しい品ですので、手に入った際には是非お試しいただくとよいと思います。
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