
Pasta allo scarparielloパスタ・アッロ・スカルパリエッロ
直訳では、靴屋の妻を意味する、ナポリの方言スカーリ[scarpari]を語源とするパスタですので靴屋の妻パスタとしてもよいですが、語呂的に靴屋婦人風として和訳しました。
日本では靴職人のパスタとやや誤ったと表現すべき名称で紹介されるケースが多いようです。
またアメリカのインフルエンサーがCobbler’s Wifeという名称で紹介している情報も目にしましたが、このレシピは、今回の靴屋婦人風パスタ[Pasta allo scarpariello]、ナポリの伝統的なレシピのそれだと思います。
前日に残ったトマトソース(やナポリ風ラグー)にバジルの葉を使って、こうした簡単で本格的な味付けの、簡単に作れておいしい料理に仕上げます。
時が経つにつれて、新鮮なチェリートマトを使ってスカリエッロのレシピを作る習慣が「受け入れられる」ようになったのだそうです。
日本人的にはあまり感覚がつかめないかもしれませんが、トマト、唐辛子、チーズという組み合わせはシチリアやナポリではよく見られますが、地域によっでやや違和感を持たれる組み合わせです。
主にスパゲッティをクリーミーな調味料となるダッテリーニトマトに軽く火を通したベースソースに仕上げにペコリーノ、パルミジャーノを加えてクリーミーに仕上げます。
カンパニア州の一部の地域では、スカルパリエッロパスタ形式と黄色のチェリー トマトを使用して調理されるそうです。
スカルパリエッロのパスタの歴史は19世紀前半にまで遡るようです。一説によると、ナポリのスペイン人街で靴屋の妻たちが、前日に残ったソースを使って月曜日の簡単な昼食を作るために作っていたことが発祥と言われています。
靴屋は土地の産物で給料をもらっていたため、自由に使える乳製品が多かったので、このパスタにはチーズがたくさん含まれています。
別の説では、その名前は「ナポリ人からすべてを奪うことはできても、皿の上のスカルペッタの喜びを奪うことはできない」ということわざに由来しているというものがあります。
スカルペッタとは、パスタ等のソースの残りをパンで拭ってふき取り食べる食事の所作・方法(高級リストランテでの食事を除き、それ以外の全ての食事シーンで実施してよいテーブルマナーです)。
尚、トマトは缶詰ではなく、フレッシュなダッテリーニトマトを使用するのが正式なレシピです。
靴屋婦人風パスタ/スカルパリエッロのパスタ材料4人分
チェリートマト 500g(代用:トマト)
ペコリーノ・ロマーノ 30g
パルミジャーノ・レッジャーノ DOP 30 g
バジル1枝
(生)唐辛子(小)1本
オリーブオイル 大匙6
ニンニク 1欠片
塩適量
1人分:約546カロリー
靴屋婦人風パスタ/スカルパリエッロのパスタ調理工程(約15分)
表示時間より2分早くゆで上げる予定です。
その間にトマトを洗ってカットしておきます。生の唐辛子から種を抜いてみじん切りにします。
オリーブオイルを引いたフライパンに軽くつぶしたニンニクを投下し加熱します。
風味がオイルに移ったら唐辛子、トマトと下塩を加えて炒め煮込んでいきます。

火を落としてパスタが茹で上がるのを待ちます。
パスタが茹で上がったらお玉2杯程度のゆで汁と共にベースソースに加えてあえ煮込んでいきます(リゾッターレ)。


皿に盛り付けてバジルを散らして完成です。

靴屋婦人風パスタ/スカルパリエッロのパスタの調理ポイント
このレシピでは本来フレッシュなダッテリーニトマトを使用するレシピですので、トマトはつぶさずに形を残すようにして炒め煮込みます。
塩加減だけ気を付ければ非常に簡単でかつ大変美味しい味に仕上がりますよ!
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