リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み

 
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】

Ribollitaリボリータ

リボリータ(リボッリータ)はトスカーナを代表する伝統料理の一つで最高の回復料理として誰もが知っているそうです。

この料理の起源は、貴族が「メンセ」と呼ばれるパンに料理を入れて食べていた中世にまで遡ります。

昼食が終わると、残りのパンが使用人たちに与えられたので使用人たちは残り物の野菜クズと混ぜて煮て、しっかりとしたおいしいスープに仕上げ、食したのだそうです。リボリータ(リボッリータ)とは再び煮るという意味、これが、リボッリータの起源です。

今日でも、このレシピは家庭料理の一部であり、家族の伝統や地元の習慣を表すさまざまなバリエーションが知られ、高く評価されているそうです。

今回のレシピは、トスカーナを原産とする黒キャベツ(カーヴォロ・ネロ)を使った最も人気のレシピにて調理しています。

尚、今回の調理ではフダンソウ(スイスチャード)が近くのスーパーに売っていなかった為、青梗菜で代用しています。


リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み材料3人分

乾燥カネリーニ豆(白インゲン豆) 175g(缶は400g1缶)
オリーブオイル 大匙1
ニンニク 1/2欠片
ローズマリー 1/2小枝
水 1リットル
塩適量
黒胡椒適量

スープ用
サボイキャベツ(チリメンキャベツ) 125g(代用:キャベツ)
黒キャベツ 150g
フダンソウ(スイスチャード)150g(代用:水菜,小松菜,ほうれん草,青梗菜,豆苗等)
固くなったパン 110g
オリーブオイル大匙1
トマト1/2個
ジャガイモ 1/2個
玉ねぎ 40g
にんじん 40g
セロリ 50g
黒胡椒適量
塩(好み)
唐辛子(好み)
タイム適量

1人分:約427カロリー


リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み調理工程(約155分)

STEP1 リボリータの調理の流れを大きく分けると、カネリーニ豆をスープにする工程と野菜類を炒め調理する工程、パンとスープをなじませる工程の3構成です。

あまりなれない工程の組み合わせですが、作業そのものは難しいことはないので、順に確認していきましょう。
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】の調理工程1
STEP2 カネリーニ豆でスープを作ることから始めます。乾燥かねりーに豆を使う場合、まず水の入ったボウルに少なくとも一晩、できれば24時間浸します。缶詰を使用する場合は水を切ってそのまま加熱でOKです。

この後、鍋にオリーブオイルとニンニク、ローズマリーを入れて加熱します。続いて、水を切った豆を投下します。

水を加え、蓋をしたまま中火〜弱火で1時間煮ます。

加熱終わりに、胡椒と塩を加えます(塩を加えるのが早すぎると豆類が硬くなるため)。

ローズマリーの小枝を抜き、豆の一部を取り除き、ブレンダーでスープ状にします。

スープ状になったら最後に炒め物と合わせるため、一旦脇に置いておきます。
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】の調理工程2
STEP3 玉ねぎの皮をむき、細かく刻みます。セロリも洗って細かく刻みます。次にニンジンの皮をむき、小さな立方体に切ります。

鍋にオリーブオイルを加えて熱し、みじん切りにした玉ねぎ、セロリ、にんじんを中火で炒めます。

炒めている間にジャガイモの皮をむき、立方体に切りフライパンに加えて炒め続けます。

ジャガイモを炒めている間に皮をむいたトマトをボウルに入れてフォークで潰しさらに鍋に加えます。
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】の調理工程3
STEP4 さらに過熱している間に、葉物野菜を処理していきます。

サボイキャベツを半分に分け、芯を取り除き荒い千切りにします。フダンソウ(今回は代用の青梗菜)も洗って粗く切ります。

最後に黒キャベツの葉を洗って切ります。

サボイキャベツとフダンソウを加え、黒キャベツも加えて、ブレンドした豆のスープを注ぎます。

全体になじませるように混ぜて蓋をし、そして沸騰させます。

スープが沸騰したら蓋を外し、時々かき混ぜながらさらに45分間煮ます。

スープが完成したら、塩、コショウで味を調え、取っておいた豆を加え全体に混ぜて混ぜて火を止めます。
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】の調理工程4
STEP5 古くなったパンを粗いスライスに切り、数枚のスライスをボウルの底に置き、おたま数杯のスープで覆います。

皿に別のパンの層を置き、これもスープで覆い、材料がなくなるまで層を重ねていきます。

全て重ねたら室温まで冷ました後、ラップをかけて冷蔵庫に入れ少なくとも2時間冷やします。
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】の調理工程5
STEP6 しっかりとスープがパンになじんだら、再度リボリータを鍋に加えます。

パンがスープを吸収し、リボリータが半固形になっているので、それを沸騰させて温めたら仕上げです。

皿に盛り付けて、細かく粉砕した唐辛子とタイムの葉を散らして、少しオリーブオイルをかけたら完成です。
リボリータ/野菜・豆・パンの煮込み【リボリータ】の調理工程6

リボリータ/野菜・豆・パンの煮込みの調理ポイント

古くなり固くなったパンをスープと共に調理して美味しく食べようとする料理です。

日本人はそもそもパンを固くなるほど多くのパンを保管しない家庭の方が多いと思うのでなれませんが、パンを復活させる工程です。

火を止めてパンをなじませて寝かす工程は実は非常に大切で、そこから再加熱して初めてリボリータ(再び煮る)になるわけで、グッと美味しくなります。

もっと言えば再加熱していなければそれはリボリータではないのです。


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記事内食材解説・補足
カネリーニ豆[fagioli cannellini]所謂白インゲン豆です。乾燥豆から下茹でした場合の重量変化は220%と言われています。 カネリーニ豆の準備の仕方 まず、調理の前日から(最低8時間、1~2回水を替える)一晩水につけておきます。 オリーブ ... [詳細解説へ]
読み方:ファジョーリ・カネリーニ
代用品:黒豆・いんげん豆
サボイキャベツ[verza]サボイキャベツは、ヨーロッパではよく親しまれた身近な冬野菜で、フレンチやイタリアンのレシピによく使われます。日本のキャベツよりも小ぶりで、肉厚です。日本では「チリメンキャベツ」として知られています。
読み方:ベールザ
代用品:キャベツ
ジャガイモ[patata]読み方:パタータ
セロリ[sedano]読み方:セーダノ
分類:香味野菜
タイム[timo]肉や魚、卵、野菜などなんにでも非常に合わせやすい。好みで加えるくらいの感覚で使ってもいいと個人的には思います。
読み方:ティモ
分類:香草
代用品:オレガノ
トマト[pomodoro]イタリア料理で非常によく使われる食材。大航海時代後にイタリアにも持ち込まれたが当初は観賞用。18世紀初頭より料理に使われるようになった比較的新しい食材です。 トマト、チェリートマト(ミニトマト)として ... [詳細解説へ]
読み方:ポモドーロ
ニンジン[carota]読み方:カロータ
分類:香味野菜
ニンニク[aglio]読み方:アーリオ
分類:香味野菜
パン[pane]読み方:パーネ
フダンソウ[bietole]スイスチャードの名でも知られます。日本でも古来より使用されてきた野菜でほうれん草の代用に使用されることが多かったと言います。 ヨーロッパ原産で、地中海沿岸で栽培化されたといわれ、当初は薬用として利用さ ... [詳細解説へ]
読み方:ビエトレ
代用品:小松菜|豆苗|ほうれん草
ローズマリー[rosmarino]強い香りが特徴のハーブ。羊肉、豚肉、イワシやサバなどクセの強い素材の臭み消しに役立つ一方、素材の風味づけにも使います。トマト、ニンニクなどとも相性が良いです。
読み方:ロズマリーノ
分類:香草
代用品:タイム|バジル|オレガノ|セージ|ローリエ
唐辛子[peperoncino]読み方:ペペロンチーノ
分類:香辛料
玉ねぎ[cipolla]読み方:チポーラ
分類:香味野菜
胡椒[pepe]読み方:ペペ
分類:香辛料
貧しい料理[cucina povera]イタリア料理には、「クチーナ・ポーヴェラ(Cucina Povera)」と呼ばれるカテゴリーがあります。 直訳すると「貧しい料理」ですが、これは経済的に困難な時代や地域で育まれた、シンプルでありながら ... [詳細解説へ]
読み方:クチーナ・ポーヴェラ
黒キャベツ[cavolo nero]読み方:カヴォロ・ネロ

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