インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮

 
インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮【ペポーゾ・デリィンプルネータ】

Peposo dell'imprunetinaペポーゾ・デリィンプルネータ

ペポーゾは、正式には「Il peposo dell’impruneta」と言われていますが、通常「Peposo」として呼称されています。

そしてPeposo(ペポーゾ)は胡椒(ぺぺ)を語源としており、ざっくり表現すると胡椒の効いた肉のワイン(キャンティ)煮で、フィレンツェ郊外のインプルネータの町とその周辺地域に伝わる伝統的なトスカーナ料理です。

インプルネータは粘土の質と熟練した職人が集まる窯で非常に有名な地域でパン屋たちは、入口の近くに土鍋を置き、そこでペポーゾを5、6時間調理し、大量のワイン(この土地特有の非常にフルボディの赤ワインであるキャンティ)と大量のパンと一緒に消費していたと言われています

非常に健康的で簡単な料理なので人気があり、各家庭の味があるそうですよ。

古典レシピは牛肉(司祭の帽子:仔牛の前足付け根の部分)と赤ワインと黒胡椒、ニンニクだけで1時間マリネしたうえで、3時間ほど煮込むという極めてシンプルなレシピです。

司祭の帽子(という部位)が指定されていますが、このペポーゾの調理法、長時間胡椒とワインで煮る調理法が生まれたのは、あまり質の高くない筋張った肉を美味しく食べる為の知恵としてです。その為、元々の料理の成り立ちとしては肉へのこだわりはなかったことが言及すべき事項かと思います。

今回は、フィレンツェ商工会議所に登録されているレシピで追加されている食材を古典レシピに加えて調理したいと思います。


インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮材料3人分

牛スジ(理想は司祭の帽子) 700g
赤ワイン (理想はキャンティ) 400ml
黒胡椒(ホール)大匙1程度
黒胡椒(粗挽き)適量
ニンニク3欠片

フィレンツェ商工会議所登録レシピの場合(以下追加)
ローズマリー1枝
ローリエの葉2枚
トマトペースト20g

1人分:約461カロリー


インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮調理工程(約260分)

STEP1 肉を3cmほどの厚さの角切りにしていきます。

胡椒をつぶし、ニンニク、赤ワインを加えてラップで覆い、1時間マリネします。
インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮【ペポーゾ・デリィンプルネータ】の調理工程1
STEP2 肉をマリネしたら、(できれば)陶器製の鍋にマリネした肉を移し、塩、香草類とトマトペースを加え、よくかき混ぜてから蓋をして弱火で3時間煮ます。

たまに肉の様子をみて火が強すぎたり鍋にくっついていないかチェックしつつかきませて煮こみ続けていきます。
インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮【ペポーゾ・デリィンプルネータ】の調理工程2
STEP3 時間が経ったら味を見て塩加減、辛み(胡椒)を調整してください。

肉がホロホロになったら完成です。

香草類を取り除き、皿に盛り付けて提供ください!
インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮【ペポーゾ・デリィンプルネータ】の調理工程3

インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮の調理ポイント

マリネした後はひたすらに弱火で煮こんでいくだけの調理です。

この派生・アレンジレシピでは野菜や肉のブロードを加えるものも散見します。

僕は古典レシピを尊重しつつ、このレシピよりも更にワインを増量し、肉と同量にて調理しました。

その為、煮込み時間が一時間ほど長くなります(だいたい4時間)。

より濃厚で柔らかい肉、非常に美味しいですよ!


インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮についてマスターの言及

投稿者: @cafe_e_immobiliare/
Threadsで見る

インプルネータ風ペポーゾ/牛肉のワイン煮を評価する

このページのURLをコピーする

Ricetta relativa a "牛肉"

カルパッチョ/牛肉のカルパッチョ

Carpaccio(カルパッチョ)元祖カルパッチョである、チプリアーニ風カルパッチョ[Carpaccio alla Cipriani]を紹介いたします。 日本においてカルパッチョは魚貝をつかった料理として提供されますが、本来カルパッチョは牛肉をつかっ …

豆入り牛肉のウミド

Umido di manzo con fagioli(ウミド・ディ・マンゾ・コン・ファジョーリ)ウミドとは、湿る・煮るという意味で煮込みのことを指します。これまでスペッツァティーノやストゥファートをそれぞれいくつも紹介してきましたが、このウミドも煮込 …

牛肉のスペッツァティーノ

Spezzatino di manzo(スペッツァティーノ・ディ・マンゾ)スペッツァティーノは煮込み料理(ラグー)の一種で、日本語訳では「シチュー」となります(英語じゃん)。 このスペッツァティーノと同じくシチューと訳されるストゥファートとの違いにつ …

豚肉のスペッツァティーノ

Spezzatino di maiale(スペッツァティーノ・ディ・マイアーレ)豚肉のスペッツァティーノは、伝統的な2番目のコース(セコンド)と呼べる品で、数種類のシンプルな材料を使って手早く調理できる、濃厚でとても美味しいピアットです。 今回のバー …

白ワインとパセリのエスカロップ

Scaloppine al vino bianco e prezzemolo(スカロッピーネ・アル・ヴィーノ・ビアンコ・エ・プレッツェモロ)セコンドを必要とするディナーで、シンプルで軽く、しかし本格的な味わいが必要な時、この白ワインとパセリのエスカロ …

マリナーラ/船乗り風ソース

Salsa alla marinara(サルサ・アッラ・マリナーラ)今回調理する、船乗り風ソースは、日本においてもおなじみのシンプルなソースのレシピを紹介します。 非常に幅広く、従来の情報、固定概念とは異なる内容もあると思われる為、紹介内容・解説の分 …

ナポリ風ラグー

Ragù alla napoletana(ラグー・アッラ・ナポリターナ)古典的なボローニャ風ラグーの代わりに、ナポリ風のラグーを選択することでカンパニア州の味を楽しむことができます。 この素晴らしいラグーを使えば、ライスやパスタと合わせて最初のコース …

ひよこ豆のスパイシースペッツァティーノ

Spezzatino di maiale con ceci speziato(スペッツァティーノ・ディ・マイヤーレ・コン・チェーチ・スペッツィアート)スペッツァティーノはイタリア料理の古典料理です。スパイスと唐辛子が加わると我々日本人においてはカレー …

エンドウ豆のスペッツァティーノ

Spezzatino con piselli(スペッツァティーノ・コン・ピゼッリ)スペッツァティーノは、イタリア料理の最も特徴的なセコンドの1つです。 香味野菜等でベースを整えて主役となる食材を加えるだけで驚くほど美味しく仕上がるスペッツァティーノ、 …

ひよこ豆のスペッツァティーノ

Spezzatino con ceci(スペッツァティーノ・コン・チェーチ)ひよこ豆のスペッツァティーノは、イタリア料理の古典的セコンドです。非常に美味しく、あらゆる家族の行事に調理される一皿だそうです。 食品の風味と肉汁を保つために、弱火で調理する …

コメントする

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

Articolo correlato