トゥリッドゥのスパゲッティ

トゥリッドゥのスパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ】

Spaghetti alla Turidduスパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ

トゥリッドゥのスパゲッティは、シチリアを舞台にしたジョヴァンニ・ヴェルガ(作曲ピエトロ・マスカーニ)の『カヴァレリア・ルスティカーナ』[Cavalleria Rusticana]〈意:田舎の騎士道〉の登場人物へのオマージュです。

ゴッドファーザー PARTⅢのオペラと言えば思い描ける方も多いかもしれません。

オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」でテノールが演じる登場人物、つまりマイケルの息子であるアンソニーが演じたあの登場人物こそがトゥリッドゥ[Turiddu]です。

兵役帰りの若く貧しい男トゥリッドゥ
中でもカヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲の美しい音色は聞くもの全てに幸福感を与えてくれる至極の一曲だと思います。

ゴッドファーザーでは様々な場面で使用されていましたが、ラストシーンで流れる美しい曲がまさに『カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲』です。

さて、このトゥリッドゥのスパゲッティは、シチリア人にとっては古典的なクイックパスタの代表らしく、シチリアの家庭料理を代表する最初のコース(プリモ)です。

その為、日本においては調達が難しいものの、理想として推奨の食材にふれておきます。トマトはノチェリーノ産サンマルツァーノ DOP、ペコリーノも勿論、シチリア産ペコリーノDOPです。

シチリアのペコリーノの代用はパルミジャーノとペコリーノ・ロマーノのミックス(1:1程度)で対応します(日本ではペコリーノ・ロマーノが調達しやすいが塩気が多い為)。

また、オリーブはグリーン、ブラック共にバラバラに指定されているケースがありましたが、赤い感じ(中間くらいの色合い)の熟仕方のものを使用しているケースが多いので、参考までに情報を添えておきます。


トゥリッドゥのスパゲッティ材料2人分

スパゲッティ200g
トマト300g
唐辛子1個
ニンニク1片
オリーブ(種抜き)65g
オレガノ適量
ペコリーノ適量
オリーブオイル大匙2
塩・胡椒適量

1人分:約554カロリー


トゥリッドゥのスパゲッティ調理工程(約25分)

STEP1 トマトを洗って立方体に切ります。唐辛子の種を取ります。

フライパンにオリーブオイルを入れて、軽くつぶしたニンニク、唐辛子を入れて炒めます。
トゥリッドゥのスパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ】の調理工程1
STEP2 トマトを加え、 塩、胡椒、乾燥オレガノを加えます。

蓋をして弱火で10分煮込みます。

その間に1%の塩を入れた湯を沸かし、パスタを茹でる準備を始めます。

表記時間より2分早くゆで上げる予定です。
トゥリッドゥのスパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ】の調理工程2
STEP3 ソースの煮込みが完了したらニンニクと唐辛子を取り出し、適当にスライスしたオリーブを加え、ゆで汁をお玉一杯加え、オレガノを追加して、ひと煮立ちさせたらベースソースの完成です。

火を止めてパスタが茹で上がるのを待ちます。
トゥリッドゥのスパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ】の調理工程3
STEP4 パスタが茹で上がったらゆで汁を皿にお玉1杯分と合わせてベースソースに加えてあえ煮込んでいきます(リゾッターレ)。

パスタにソースを全て閉じ込めたら、火を止めてペコリーノを加え、全体になじむように混ぜて仕上げです。
トゥリッドゥのスパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ】の調理工程4
STEP5 皿に盛り付けてお好みでフレッシュオレガノをチラシ、最後にペコリーノをすりおろして完成です。
トゥリッドゥのスパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・トゥリッドゥ】の調理工程5

トゥリッドゥのスパゲッティの調理ポイント

フレッシュトマトとオリーブ、そして本来はシチリアのペコリーノを使い、シチリアの風土を感じる絶品と言える一品です。

非常にシンプルでありながら、最良といえるバランスで食材を感じられ、料理の成り立ちについても興味深く、客人に提供する一品としても出せる。

いつでも美味しく味わえる一品ですよ!


トゥリッドゥのスパゲッティについてマスターの言及


トゥリッドゥのスパゲッティを評価する
記事内食材解説・補足
オレガノ[origano]別名:マジョラム。肉やチーズ、トマトとの相性が良い。古代ローマの時代から薬用、調味料・香辛料として使われてきました。
読み方:オリーガノ
分類:香草
代用品:バジル|イタリアンパセリ
スパゲッティ[spaghetti]断面が正円のロングパスタで直径が1.8~2.0mm前後のものをスパゲッティと言います。好みによりそれより少し細いスパゲッティーニを使うケースがあります。 僕は通常、スパゲッティー系はディベラのNo.9 ... [詳細解説へ]
読み方:スパゲッティ
分類:パスタ
代用品:スパゲッティー二
トマト[pomodoro]イタリア料理で非常によく使われる食材。大航海時代後にイタリアにも持ち込まれたが当初は観賞用。18世紀初頭より料理に使われるようになった比較的新しい食材です。 トマト、チェリートマト(ミニトマト)として ... [詳細解説へ]
読み方:ポモドーロ
ニンニク[aglio]読み方:アーリオ
分類:香味野菜
ペコリーノ[pecorino]羊の乳を原料としたチーズの総称。羊のチーズは非常に濃厚で味が強いことが特徴。ラツィオ州とサルデーニャ州で作られるペコリーノ・ロマーノは僕もよく使いますが、かなり味が濃いです。 他にペコリーノ・トスカー ... [詳細解説へ]
読み方:ペコリーノ
分類:チーズ
代用品:パルミジャーノ
唐辛子[peperoncino]読み方:ペペロンチーノ
分類:香辛料

このページのURLをコピーする

Ricetta relativa a "オリーブ"

灰入りパスタ/ゴルゴンゾーラと黒オリーブのパスタ

Pasta alla cenere(パスタ・アッラ・チェネレ)「チェネレ[cenere]」は、イタリア語で灰を意味し、直訳ではタイトルのとおり灰入りパスタとなります。 ゴルゴンゾーラ加える、刻んだ黒オリーブが灰のように見えることから、Pasta al …

玉ねぎとオリーブを添えたかぼちゃの炒め物

Zucca in padella con cipolle e olive(ズッカ・イン・パデッラ・コン・チポーレ・エ・オリーヴェ)かぼちゃの玉ねぎとオリーブの炒め物は、かぼちゃを使った少しリッチにした付け合わせ(コントルノ)です。 このおいしいサイド …

オリーブのパスタ

Pasta alle olive(パスタ・アッレ・オリーヴ)オリーブのパスタは、準備がとても簡単で、手早くておいしいプリモです。 家にほとんどまたは何もない場合でも、おいしいパスタ料理を作ることができます。 冷蔵庫に何もない時の定番といえば娼婦風(プ …

オリーブのパテ

Patè di olive(パテ・ディ・オリーヴ)トップ画はクロスティーニに添えたオリーヴのパテ(Crostini con pate’ di olive nere)です。 オリーブのパテは、時短でおつまみやおつまみとして使える簡単レシピで …

オリーブ風味の鶏肉のスカロッピーネ

Scaloppine di pollo alle olive(スカロッピーネ・ディ・ポーロ・アレ・オリーヴェ)翻訳では、フランス語ベースのエスカロップと訳されましたが、日本においてもスカロッピーネの名称が多少見受けられましたので、そのように表記しまし …

ニンジンの玉ねぎオリーブ炒め

Carote con cipolle e olive in padella(カローテ・コン・チポーラ・エ・オリーブ・イン・パデーラ)素朴でとても食欲をそそるアンティパスティ(前菜)。 肉や油の多い魚をベースにした料理から卵料理までと非常に幅広い分野の …

鯛とトマトのパスタ

Pasta con orata e pomodori(パスタ・コン・オラタ・エ・ポモドーリ)鯛の切り身を使用して、短時間で調理することができる魚ベースの最初のコース(プリモ)です。 以前、鯛を使用した白身魚のラグーパスタを紹介しましたが、今回はトマト …

豆と鯛のサラダ

Insalata di fagioli e orata(インサラタ・ディ・ファジョリ・エ・オラタ)豆と鯛のサラダは、マグロ(ツナ缶)を使用した豆とツナのサラダ[Insalata di fagioli e tonno]のレシピを参考に調理した僕の考案レ …

赤キャベツとゴルゴンゾーラのリゾット

Risotto con cavolo rosso e gorgonzola(リゾット・コン・カヴォロ・ロッセ・エ・ゴルゴンゾーラ)赤キャベツは非常に美しい色合いを表現できる主役野菜の1つです。 生で食べるのが好きな人にも、スープやパスタ料理を好む人に …

キャベツとサルシッチャの鍋煮

Cavolo e salsiccia in padella(カヴォロ・エ・サルシッチャ・イン・パデッラ)キャベツとサルシッチャは、北部の伝統農民料理の2番目のコース(セコンド)が有名ですが、今回は、トップ画の通りレッドキャベツの使用だったので、時短で …

コメントする

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

Articolo correlato