アクアパッツァ

 
アクアパッツァ【アクアパッツァ】

Acquapazzaアクアパッツァ

イタリア料理では単にアクアパッツァ(Acquapazza)というと白身魚の水煮料理又は白身魚を煮る香草漬けにした魚介類の出汁のことを指します。

ペシェ・アッラックア・パッツァ(Pesce all’acqua pazza)も使われている呼称です。

最も簡単で手早く準備できる魚のメインコースの1つで、イタリア料理の典型的なレシピであり、全国のほぼどこにでも普及しているそうです。

「アクアパッツァ」という用語は、カンパニア州で一般的に魚を調理する典型的なソース(水煮)を指します。

ナポリ地方の漁師達が魚介類を海水を加えた上でトマトやオリーブオイルと共にソテーして作っていた料理が起源だと言われています。

チェリートマト、オイル、ニンニク、パセリ、水を組み合わせることで、魚の味と香りを美味しく味わえる料理で、スズキ、タラや鯛(Orata all’acqua pazza)などがよく調理される魚です。

尚、アクアパッツァをスープとして楽しむ場合、トマトの分量を1KG程度、水量(ワインはお好み)合計1L程度まで増やして調理することが可能です。

日本においては貝を加えて調理されることが多いようですが、僕はそのように調理されているレシピを目にしたことがないのでイタリア語圏ではおそらく一般的ではないレシピだと思います。

魚貝類の食べ合わせについて補足
イタリアでは多くの地域で魚貝類の食べ合わせを非常に気にするそうです。魚貝類は生臭さを感じやすく繊細なためだと考えます。

魚との食べ合わせのタブーとして、チーズや肉。野菜もトマトや香草等一部調味料的に使用する食材以外は一緒の食卓に並べることを避ける傾向があるそうです。

これらの組みあわせは気持ち悪いと感じる方もいるほどだと聞きます。

魚貝類を食べる際には前菜からプリモ、セコンド迄魚貝類ばかりで固めるというのが定番のようですので、イタリアの方を食事に招く際には、頭の隅に置いておくとよい情報かと思います。


アクアパッツァ材料4人分

魚(重さにより1~2尾) 800g
チェリートマト 300g
ニンニク 2片欠片
コップ半分の 水
白ワイン1/2グラス
イタリアンパセリの 適量
オリーブオイル 大匙2
塩・胡椒適量

1人分:約229カロリー


アクアパッツァ調理工程(約50分)

STEP1 大きな鍋にオリーブオイルを加えて加熱してから、軽くつぶしたニンニクを投下して風味をオイルに移します。

イタリアンパセリの茎を入れて加熱します。
アクアパッツァ【アクアパッツァ】の調理工程1
STEP2 魚を並べて好みでオレガノ、塩、唐辛子を入れます。

次にトマトを入れたら白ワインをいれて沸騰させてアルコールを飛ばし切ります。次に湯を加え(分量は魚が半分程度がつかる量)ます。

沸騰させてから火を弱めて20分煮込み、魚を裏返しにして、更に15分間煮こみます。
アクアパッツァ【アクアパッツァ】の調理工程2
STEP3 煮込み終わったら塩加減を確認して、刻んだイタリアンパセリ、お好みでオリーブを散らして完成です。
アクアパッツァ【アクアパッツァ】の調理工程3

アクアパッツァの調理ポイント

魚の下処理さえしてしまえば、ほとんどすることがない調理です。

食材を投下して煮込み、魚をいれます。

水とワインによる出汁の量は魚が半分つかる程度です。その出汁を最初は表面にかけてあげます。

すぐに中まで出汁が浸透するので煮込み完了まで待ち、塩加減を再度チェックするだけです。

非常に美味しいですよ!


アクアパッツァについてマスターの言及

言及1 言及2


アクアパッツァを評価する
記事内食材解説・補足
トマト[pomodoro]イタリア料理で非常によく使われる食材。大航海時代後にイタリアにも持ち込まれたが当初は観賞用。18世紀初頭より料理に使われるようになった比較的新しい食材です。 トマト、チェリートマト(ミニトマト)として ... [詳細解説へ]
読み方:ポモドーロ
ニンニク[aglio]読み方:アーリオ
分類:香味野菜
ワイン[vino]読み方:ビーノ
分類:果実酒
胡椒[pepe]読み方:ペペ
分類:香辛料
[pesce]読み方:ペェシェス

このページのURLをコピーする

Ricetta relativa a "海鮮"

カレー仕上げの海鮮パスタ

カレー仕上げの海鮮パスタ

Pasta con frutti di mare al curry(パスタ・コン・フルッティ・ディ・マーレ・アル・キャリー)直訳するとシーフードカレーのパスタや海鮮カレーのパスタとなりますが、スパイス(複数なのでイメージと一致するカレー表記を使用)は …

ライスサラダ

ライスサラダ

Insalata di riso(インサラタ・ディ・リーゾ)ライスサラダ又は冷ご飯[Riso freddo]は誰もが幸せになる美味しい冷たい料理です。今回は、ライスサラダの古典的なレシピを紹介していきます。 ライスサラダは、夏には欠かせないもので、お …

白身魚のラグーパスタ

白身魚のラグーパスタ

Pasta al ragù bianco di pesce(パスタ・アル・ラグー・ビアンコ・ディ・ペッシェ)白身魚のラグーパスタは、メニューを豊かにする興味深い香りを持つ最初のコース(プリモ)です。 今回のレシピでは、角切りにした鯛とタラをハーブ、唐 …

アンチョビとミニトマトのパスタ

アンチョビとミニトマトのパスタ

Pasta con alici e pomodorini(パスタ・コナリチ・エ・ポモドーリニ)地中海風味の強い、とても簡単で早い最初のコース(プリモ)です。 友人とのディナーのシーフードメニューのプリモとしても提供できる品です。一般的にイタリアでは海 …

マリナーラ/船乗り風ソース

マリナーラ/船乗り風ソース

Salsa alla marinara(サルサ・アッラ・マリナーラ)今回調理する、船乗り風ソースは、日本においてもおなじみのシンプルなソースのレシピを紹介します。 非常に幅広く、従来の情報、固定概念とは異なる内容もあると思われる為、紹介内容・解説の分 …

メカジキのシチリア風

メカジキのシチリア風

Pesce spada alla siciliana(ペェシェス・スパーダ・アッラ・シチリアーナ)シチリア風メカジキ(メカジキのシチリア風)は、シチリア料理の伝統的な魚・海鮮のセコンドです。 アクアパッツァに似た食材構成ですが、メカジキを使用する点や …

イカ墨パスタ

イカ墨パスタ

Pasta al nero di seppia(パスタ・アル・ネロ・ディ・セッピア)イカ墨のパスタは、完璧な完全な黒スタイルの古典的な海鮮のファーストコース(プリモ)です。 特にイカ墨のスパゲッティや後日調理予定の黒リゾット(Risotto al n …

漁師のスパゲッティ/ペスカトーレ

漁師のスパゲッティ/ペスカトーレ

Spaghetti del pescatore(スパゲッティ・デリ・ペスカトーレ)漁師風スパゲッティ(Spaghetti alla pescatora/ペスカトーラ)とも言われます。準備が簡単なプリモで、各工程を慎重に進めるだけで美味しく調理ができま …

カニのスパゲッティ/フレッシュトマト仕上げ

カニのスパゲッティ/フレッシュトマト仕上げ

Spaghetti al granchio[finitura al pomodoro](スパゲッティ・アル・グランキオ)カニのスパゲッティは、海鮮のプリモでより洗練された料理を楽しみたいときに、キッチンであまり時間を費やすことなく調理できるレシピです …

牡蠣のリゾット

牡蠣のリゾット

Risotto all'ostrica(リゾット・アッローストリカ)牡蠣は家庭で使用される食材ではなく、高級食材の類になるからなのか最良のレシピを探してみても統一性がなく、多くの場合、使用される食材が非常に高級です。 高級な食材であることを承知の上で …

コメントする

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

Articolo correlato