娼婦風スパゲッティ

 
娼婦風スパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ】

Spaghetti alla puttanescaスパゲッティ・アッラ・プッタネスカ

プッタネスカはイタリア料理で最もシンプルで有名なパスタの一つに数えられます。日本においても人気漫画ジョジョの奇妙な冒険第4部「イタリア料理を食べに行こう」に登場したシェフのトニオさんことトニオ・トラサルディーの「娼婦風スパゲッティ」でご存じの方も多いはず。

アンチョビ、オリーブ、トマト、塩漬けケッパーで作られたソースのパスタで、辛味は胡椒又は唐辛子とする二種類のバージョンがあります

プッタネスカの発祥は下記のように諸説たくさんありますが、どれも確実ではありません。

  • スペイン周辺の売春婦に夜の労働から回復させるために提供された料理であったという説
  • 食生活が乱れている娼婦建の家でもアンチョビ、ケッパー、オリーブは置いてあるからせめて栄養を取るようにとこのソースが作られたという説
  • ナポリのシェフが手持ちのわずかな食材を使って即興で売春婦の為に作ったという説
  • 娼館で精力を使い果たした客や娼婦に食べさせたとする説
  • 娼婦の商売下着が赤、黒、緑などの派手な色使いで、それがプッタネスカの材料に似た色合いだという説

…etc

1844年にイッポリト・カヴァルカンティは、著書「Cucina teorico-pratica」の中で現代のプッタネスカによく似たソースをナポリの人気料理として紹介しており、alici salse(アンチョビソース)と名付けています。

現代のプッタネスカの名前で最初にこの料理が紹介されたのは1961年のイタリアの小説と言われており、ラファエレ・ラ・カプリア小説「致命傷」の登場人物の一人セリフです。

また、イスキア島に住む建築家サンドロ・ペッティが、オーナーであるレストランRancio Felloneで自ら作り出したとインタビューに答えているという話もあります。

イタリアを代表するパスタの一つですから、色々の方が主張したいのでしょうね。

主役級の素材をいくつも組み合わせると大抵味が落ちてしまいますが、二つ名付きは別です。その組み合わせを皆が旨いと感じたから二つ名が付いたのだろうし、別格の美味しさだと思います


娼婦風スパゲッティ材料2人分

スパゲッティ200g
トマト200g(代用:チェリートマト、トマトソース150g)
種抜きブラックオリーブ30g
アンチョビ1尾
ニンニク1欠片
塩漬けケッパー10g
イタリアンパセリ2束
塩適量

唐辛子の場合
オリーブオイル大匙2
唐辛子1本

胡椒の場合
バター 10g
オリーブオイル大匙1
胡椒適量

1人分:約516カロリー


娼婦風スパゲッティ調理工程(約15分)

STEP1 パスタ用に湯を沸かし、1%の塩を投下します(1人前でも最低1L以上としましょう)。

表記時間より2分早く上げる予定です。

塩漬けケッパーの塩を流水でよく流して刻んでおきます。他アンチョビ、黒オリーブ等食材を微塵切りにしておきます。

チェリートマトはそのまま、普通のトマトを使用する場合は、湯剥きするとおさまりがよく、乱切りでOKです。
娼婦風スパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ】の調理工程1
STEP2 フライパンでオリーブオイル(胡椒バージョンの場合はバターも)を熱し、(唐辛子バージョンの場合は)唐辛子を投下して香りをオイルに移します。

アンチョビが最初、加熱して溶かしつつ、ケッパー、オリーブを入れて軽く加熱してからカットしたトマトとイタリアンパセリを投下します。

加熱してトマトが柔らかくつぶれる感じに火が通ったらゆで汁を軽くお玉1杯程度追加してひと煮立ちさせたら火を止めてパスタが茹で上がるのをまちます。
娼婦風スパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ】の調理工程2
STEP3 ベースソースの塩加減を確認した上で、パスタが茹で上がったらお玉2杯のゆで汁と共にソースと合わせます。

注意点としてケッパーとアンチョビが入っているのでもし、塩味が強くなりすぎている場合は、ゆで汁を減らし、普通の湯を加えるようにして調整下さい。

パスタをあえ煮込んでいき、ソースを全てパスタに閉じ込めたら仕上げです。

皿に盛り付けてイタリアンパセリを散らしたら完成です。
娼婦風スパゲッティ【スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ】の調理工程3

娼婦風スパゲッティの調理ポイント

塩気の多い食材を使うため、特にケッパーはしっかりと流水で塩気を流した後に調理に使ってください。

また、調理工程でも記載しましたが、塩気が多くなりすぎてしまった場合は、パスタとベースソースを合わせる際のゆで汁を普通の湯を加えて調整下さい。

この塩気だけ注意すれば非常に簡単な調理でとても美味しくしあがりますよ!

具材の分量バランスはお好みで変化させてもOKです!


娼婦風スパゲッティについてマスターの言及


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記事内食材解説・補足
アンチョビ[acciughe]カタクチイワシの塩漬けを熟成・発酵させ、オリーブオイルに漬けたものです。
読み方:アッチュウゲ
代用品:オイルサーディン|いかの塩辛
イタリアンパセリ[prezzemolo]香味野菜として使います。すり潰した葉や細かく刻んだ葉を料理のソースやドレッシングなどに利用したり、茎や葉を煮込み入れたり、そのままちぎってパスタなどの料理に添えられたりします。肉や魚の臭い消し、ビネガ ... [詳細解説へ]
読み方:プレッツェモロ
分類:香草
代用品:バジル|三つ葉|セロリの葉
オリーブ[oliva]オリーブオイルの他、ピクルスやピザの材料としたり、塩漬けにしてカクテルのマティーニに添えられたりします。 グリーンオリーブは果肉が硬めで、若干の渋みや塩味があります。 一方、ブラックオリーブはしっかり ... [詳細解説へ]
読み方:オリーヴァ
ケッパー[capperi]ケイパー、ケーパー、カープル(仏: câpre)とも呼びます。酢漬けと塩漬けがありますが、僕は調理では塩漬けをよく使います。しかし、塩漬けケッパーはあまりストアでは売っていないので見つけた時にまとめて ... [詳細解説へ]
読み方:カッペリ
分類:香辛料
スパゲッティ[spaghetti]断面が正円のロングパスタで直径が1.8~2.0mm前後のものをスパゲッティと言います。好みによりそれより少し細いスパゲッティーニを使うケースがあります。 僕は通常、スパゲッティー系はディベラのNo.9 ... [詳細解説へ]
読み方:スパゲッティ
分類:パスタ
代用品:スパゲッティー二
トマト[pomodoro]イタリア料理で非常によく使われる食材。大航海時代後にイタリアにも持ち込まれたが当初は観賞用。18世紀初頭より料理に使われるようになった比較的新しい食材です。 トマト、チェリートマト(ミニトマト)として ... [詳細解説へ]
読み方:ポモドーロ
ニンニク[aglio]読み方:アーリオ
分類:香味野菜
フジッリ[fusilli]ショートパスタの一種で、くるくるです。 日本では、フジッリ以外にもくるくるパスタやカールマカロニの名称で親しまれています。 フジッリ・ブカーティやロングパスタのフジッリ・ルンギ、類似した外観のロティー ... [詳細解説へ]
読み方:フジッリ
分類:パスタ
代用品:ショートパスタ
ロングパスタ[pasta lunga]細長いパスタ全般のことを指します。
読み方:パスタ・ルンガ
唐辛子[peperoncino]読み方:ペペロンチーノ
分類:香辛料
胡椒[pepe]読み方:ペペ
分類:香辛料

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