Pasta con pesto alla trapaneseパスタ・コン・ペスト・アッラ・トラパネーゼ
トラーパニ風ペストのパスタは、シチリアの美食の伝統の一部であるペスト、トラーパニ風ペスト[Pesto alla trapanese]で味付けされた非常においしい最初のコース(プリモ)です。
このペストは、典型的なシチリアの食材であるトマトとアーモンドを加えた、古典的なペストののバリエーションです。
リグーリア州(州都ジェノヴァ)のバジルペスト(現地ではペスト・ジェノベーゼ[Pesto alla genovese]を使用)とトマトソースを合わせるポルトフィーノ風ペストと似た食材構成ですが、調理工程や食材の活用法が異なる為かなり風味が違います。
ポルトフィーノ風はバジルのペストそのものを使いトマトピューレと混ぜ合わせて作るのに対し、このトラーパニ風は、バジルとアーモンド、ペコリーノ等地産の食材を使い(リグーリアのバジル・ペストは通常松の実を使う)、フレッシュトマトと一緒に混ぜ合わせてペストにしていきます。
トラーパニ風ペストはトラパニ港発祥の古代レシピで、かつては東方からのジェノバ船がここに停泊し、リグーリアのペスト(現代におけるペスト・アッラ・ジェノベーゼだったのか通常のペスト・ディ・バジルだったかは未確認)をトラパニの人々に紹介したのだそうです。
トラーパニの人々は、その土地の典型的な食材を加えてペストのレシピをアレンジしました。
これが、アーモンドとフレッシュトマトの追加の特徴です。
本来シチリアでは、らせん状の典型的なシチリアのパスタであるブジアーテ[Busiate]を使って調理することが通例だそうですが、日本ではパッと手に入るパスタではないので、セダニーニ・リガーテを使用しました。
また、日本人が好きなスパゲッティで調理することもあるそうです。
トラーパニ風ペストは、パスタのソースにする以外にもブルスケッタやピアディーナの詰め物にも最適で、多くの美味しくてカラフルな料理の調味料としても適しています。
ここで使われるペコリーノは、本来は地産のペコリーノ・シチリアーノですが、日本においてはペコリーノは、ペコリーノ・ロマーノしか入手できないケースが多いと思います。
その為、ペコリーノ・ロマーノとパルミジャーノを1:1で合わせて代用するとちょうどよいと思います。
尚、ペコリーノではなくパルミジャーノとリコッタ(牛)でペストを作るとシチリア風ペスト[Pesto alla siciliana]という別の名称が付いたペストができあがります。
トラーパニ風ペストのパスタ材料4人分
トマト 250g
バジル 50g
アーモンド 50g(代用:ナッツ類)
オリーブオイル(EVO)大匙2
ペコリーノ40g
(赤)ニンニク 1欠片
黒胡椒 適量
塩味を お好み で
1人分:約470カロリー
トラーパニ風ペストのパスタ調理工程(約20分)
鍋に水を入れて火にかけます。
トマトを洗い、トマトの端に十字の切り込みを入れ、水が沸騰し始めたら、トマトを20秒ほど湯通しします。
トマトの皮をむき、それらを立方体に切ります。
(画像ではアーモンドの代用にピーナッツを使用しています)
皮をむいたトマト、アーモンド、ニンニク、洗って乾かしたバジル、塩、こしょうで味を調え、オリーブオイルを加えてミキサー、またはすり鉢に入れすべてがよく混ざるように数分間ブレンドします。
ブレンドが完了したらすりおろしたペコリーノを加え、混ぜ合わせてペストの完成です。
表記時間ちょうどアルデンテでゆで上げる予定です。
出来上がったペストをフライパンに移し、ゆで汁をお玉少量加えてなじませ、ひと煮立ちさせたら火を落としてパスタが茹で上がるのを待ちます。
ペストソースによく混ぜ合わせ、塩味をチェックします。
ソースがダレる場合は良く混ぜた上で弱火で加熱しつつ混ぜ合わせていき調整します。
ちょうどよいとろみを保ちながらなじんだら仕上げです。
皿に盛り付けてバジルを添え、お好みでカットトマトを添えて完成です。
トラーパニ風ペストのパスタの調理ポイント
トマトを湯剥きしたら通常のペストと同じように食材を全て合わせてブレンダーにかけてしまうのが最も簡単です。
非常に美味しい一皿ができあがりますよ!
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