Pangiallo romanoパンジャッロ・ロマーノ
パンジャッロ・ロマーノは、非常に古い伝統のお菓子ですが、このドルチェはローマ帝国の時代に太陽の帰還を願って冬至の日に作られていました。
ドライフルーツ、レーズン、ハチミツや砂糖漬けのフルーツがたっぷり入ったパンは、丸い形をしており、サフランで黄金色に仕上げられました(太陽をイメージ)。
時が経っても、このデザートを食す伝統は失われることなくパンジャーロは典型的なクリスマスデザートの一部になったそうです。
現在のイタリアのクリスマスの定番、パネットーネ、各地域における様々なバリエーション(ヴェローナのパンドーロからジェノヴァのパンドルチェ、ヴァルテッリーナのビスチョーラ、アブルッツォのパロッツォ、そしてボローニャのチェルトジーノ等)がありますがそれらの源流といえるドルチェがパンジャッロ・ロマーノです。
年に一度、典礼の大祭に際して、パンジャッロ・ロマーノは蜂蜜、スパイス、砂糖漬けの果実などの貴重な材料で濃縮し仕上げられました。もともとはパン職人によって作られていたのですが、それが菓子職人の手に渡り、現代のクリスマス・ケーキに至っています。
大きな2つのパン状にして焼くレシピが昔ながらのもののようですが、冬至~クリスマスにかけて楽しむドルチェだったから分量も多いのだろうと思われます。
クリスマスはイエス・キリストの降誕(生誕)を記念する大祭として有名ですが、キリスト教カトリックの起こりはイエスの十二使徒の一人、ペテロが創建したとされるローマ教会(聖ピエトロ教会)です。
4世紀にこの聖ペテロの墓の上に建てたと言われるサン・ピエトロ大聖堂(サン・ピエトロは「聖ペテロ」の意で、カトリックの総本山)が建立されています。カトリックの総本山=バチカン市国はローマの北西部にあります。
313年のミラノ勅令でローマ帝国のもとで信仰が認められ、さらに392年にキリスト教は国教となったので、クリスマスが浸透し日付的にも近い冬至の大祭の流れに組み込まれたのだと想像できます。
パンジャッロ・ロマーノ材料12人分
ビール酵母10g(代用:ドライイースト4g)
砂糖150g
オレンジ砂糖漬け50g
柚子砂糖漬け 50g
松の実50g
くるみ50g
アーモンド100g
ヘーゼルナッツ100g
サルタナ150g(代用:普通のレーズン)
シナモンパウダー 小匙1
オリーブオイル50g
卵白2
水300g(サタアナ戻し用)
表面コート用
サフラン0.25g&水40g(代用:卵黄)
オリーブオイル大匙1
小麦粉大匙1
1人分:約360カロリー
パンジャッロ・ロマーノ調理工程(約70分)
それから余分な水を絞ります。
ビール酵母10gをお湯40gに溶かしておきます。
そしてオリーブオイルを加え具材を混ぜ込む準備としてこねます。
よく混ざったら生地にこれら具材を加え、よく絞ったサルタナ(レーズン)も加え、手でこねます。
12時間立ち、オーブンで焼く前に小麦粉と油、サフランと水をスプーンで混ぜたソースをパンに(刷毛で9塗ってから170℃に予熱したオーブンで45分間焼きます。
焼きあがったら完成です。冷ましてから食べましょう!
パンジャッロ・ロマーノの調理ポイント
凄まじい量のナッツ、そして砂糖漬けのフルーツが入った古代のパンです。
当時(紀元前)だと木の実等のナッツを皆で一生懸命集めてこの大祭に備えたのでしょう。
単純な調理工程なのでどなたでも簡単に調理することができます。
ナッツ類は変更してもよいのだそうですが、フルーツ類(オレンジや柚子の皮の砂糖漬け、レーズン)は意味があるようで重要な食材なようです。
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