世界三大ブルーチーズ。イタリアの代表的なチーズのひとつ。ピカンテ(辛い)とドルチェ(甘い)の二種類があり、調理で使う場合、ドルチェを使うことがほどんどです。
ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)は、イタリア北部、特にロンバルディア州とピエモンテ州で生産される伝統的なブルーチーズで、DOP(原産地名称保護)認定を受けた高品質なチーズです。このチーズは、9世紀頃から作られていると言われ、その名前はミラノ近郊の町「ゴルゴンゾーラ」に由来します。ゴルゴンゾーラには、ドルチェ(Dolce)とピカンテ(Piccante)の2種類があり、熟成期間や風味が異なることが特徴です。
ゴルゴンゾーラ歴史的背景
ゴルゴンゾーラの歴史は長く、紀元1000年頃にはすでにその生産が始まっていたとされています。もともとは、ロンバルディア地方で牧畜が盛んだったことから、余剰の牛乳を保存するために作られた保存食として発展しました。当初はシンプルなフレッシュチーズだったゴルゴンゾーラは、熟成技術が進化することで、今日のような独特の風味と香りを持つブルーチーズに発展しました。
17世紀には、ゴルゴンゾーラはイタリア全土やヨーロッパ中に広まり、特に貴族や上流階級の間で人気を博しました。ゴルゴンゾーラは、クリーミーなテクスチャーとピリッとした風味が特徴であり、パンやパスタ、サラダ、デザートまで、幅広い料理に使用されています。
ゴルゴンゾーラの種類
ゴルゴンゾーラには大きく分けて2種類があります。
ゴルゴンゾーラの生産地域とDOP認定
ゴルゴンゾーラチーズは、ロンバルディア州とピエモンテ州の特定の地域で生産されており、DOP認定によりその品質が保護されています。DOP(Denominazione di Origine Protetta)は、原産地や伝統的な製法を保証する制度で、ゴルゴンゾーラの生産はこの厳しい基準に従って行われています。ゴルゴンゾーラDOPには、特定の地域で育った乳牛のミルクのみが使用され、そのミルクは添加物や保存料を一切使用せずに加工されます。これにより、ゴルゴンゾーラは常に高品質なチーズとして世界中で評価されています。
ゴルゴンゾーラの製法と熟成
ゴルゴンゾーラの製造過程では、牛乳にカビを接種してから熟成させる独特の工程が特徴です。このカビがゴルゴンゾーラ特有の青い筋を生み出し、風味と香りを引き出します。熟成期間は、ゴルゴンゾーラ・ドルチェが約50日から150日、ピカンテが約80日から270日で、熟成期間が長くなるほど風味が強くなります。
熟成中には、チーズに穴を開けて空気を入れることで、カビの成長を促進します。このカビが、ゴルゴンゾーラにピリッとした独特の風味を与え、他のチーズにはない個性的な味わいを作り出します。
現代のゴルゴンゾーラ
ゴルゴンゾーラは、イタリア国内外で非常に人気があり、特に料理に使用されることが多いチーズです。クリーミーな食感と豊かな風味は、パスタやリゾット、ピザなど、イタリア料理の定番メニューにぴったりです。また、フルーツやナッツ、蜂蜜などの甘い食材とも相性が良く、デザートとしても楽しめます。
さらに、ゴルゴンゾーラは健康面でも注目されています。このチーズには、豊富なカルシウムとビタミンが含まれており、骨の健康を促進する効果があります。また、発酵食品であるため、腸内環境を整える効果も期待されています。
終わりに
ゴルゴンゾーラチーズは、イタリアの食文化において欠かせない存在であり、その豊かな歴史と伝統を背景に、世界中で愛されています。特にロンバルディア州とピエモンテ州の豊かな自然環境で生まれたこのチーズは、その風味と品質の高さで、多くの人々を魅了しています。ドルチェタイプとピカンテタイプの2つのスタイルから選べるゴルゴンゾーラは、料理のアクセントとしても、またそのまま楽しむデザートチーズとしても幅広く利用されています。イタリアの伝統的な食文化を味わう一品として、ぜひゴルゴンゾーラチーズを試してみてください。
参考サイト
分類:チーズ