鹿肉のスペッツァティーノ

鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】

Spezzatino di cervoスペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ

スペッツァティーノは、肉を食べやすい大きさに切り、香味野菜やワインとともにじっくり煮込むイタリアの家庭料理です。鹿肉(cervo)を使うこの一皿は、力強い肉の旨味を赤ワインと香草で受け止める、野趣のあるセコンド・ピアットに仕上がります。

イタリアでも鹿をはじめとする野生肉は、狩猟文化のある山間部を中心に地域の食文化の中で食べられてきました。脂の少ない赤身で風味が強いため、ローズマリーやジュニパーベリー、赤ワイン、香味野菜を合わせた煮込みはとても相性のよい調理法です。

鹿肉は畜産肉とは違う独特の香りがありますが、このレシピでは特別な漬け込みをせず、ひとつひとつの加熱工程でその香りを旨味へ変えていきます。まず肉の表面をしっかり焼き、玉ねぎ・にんじん・セロリから出る水分と香りを肉になじませます。さらに赤ワイン、ローズマリー、ジュニパーベリーを重ねて長時間煮込むことで、野性味を残しながら臭みを整えます。

鹿肉は脂が少なく、しっかりとした肉質でありながら、煮込み終えると深い旨味が広がります。ほんのり苦味を思わせるほど力強い独特の味わいがあり、口の中でほどけるように仕上がった肉は非常に美味。香味野菜の扱いと長い煮込みが、この料理の大切なポイントです。


鹿肉のスペッツァティーノ材料4人分

鹿肉 1kg
玉ねぎ 100g
ニンジン 100g
セロリ 1本
ニンニク 1片
オリーブオイル 適量
赤ワイン 200ml
ブロード 500ml
ローズマリー 1枝
ジュニパーベリー 8粒
塩 適量
胡椒 適量

1人分:約420カロリー


鹿肉のスペッツァティーノ調理工程(約210分)

STEP1 鹿肉は余分な筋や膜があれば取り除き、3〜4cm角に切ります。煮込みで縮むため、やや大きめにそろえておきます。
鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】の調理工程1
STEP2 厚手の鍋にオリーブオイルと軽く潰したニンニクを入れて火にかけ、焦がさないように香りをオイルへ移します。火を強めて鹿肉を加え、鍋に詰め込みすぎないようにしながら、表面全体にしっかり焼き色をつけます。
鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】の調理工程2
STEP3 玉ねぎ、ニンジン、セロリを細かく刻んで肉に加え、ひとつまみの塩を振ります。中火で炒め、香味野菜から出てくる水分と香りを肉によくなじませます。水っぽさがなくなり、鍋底の旨味まで肉と野菜に戻るまで丁寧に火を入れます。
鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】の調理工程3
STEP4 赤ワインを加えて強めの火にし、鍋底の旨味をこそげながら煮立てます。アルコールの刺激的な香りがなくなるまで、しっかりと煮詰めます。
鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】の調理工程4
STEP5 温かいブロードを肉が浸る程度まで加え、ローズマリーと軽く潰したジュニパーベリーを加えます。弱火にして蓋をし、時々様子を見ながら2時間30分〜3時間ほど静かに煮込みます。煮汁が減りすぎる場合はブロードを少量ずつ足します。
鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】の調理工程5
STEP6 鹿肉がフォークでほぐれるほど柔らかくなったら、ローズマリーを取り除き、塩・胡椒で味を整えます。煮汁を肉によく絡ませて器に盛り、熱いうちに仕上げます。
鹿肉のスペッツァティーノ【スペッツァティーノ・ディ・チェルヴォ】の調理工程6

鹿肉のスペッツァティーノの調理ポイント

鹿肉は脂が少なく香りが強いので、下処理以上に各加熱工程の積み重ねが重要です。
肉は最初に強火で表面をしっかり焼き、香ばしさをつけます。
香味野菜を加えた後は、野菜から出た水分をすぐ次の工程へ流さず、肉とよくなじませながら炒めて煮詰めます。ここで玉ねぎ・ニンジン・セロリの香りと甘みを肉に重ねることで、鹿特有の強い香りを整えます。
赤ワインはアルコールの刺激が残らないところまでしっかり飛ばします。
ローズマリーとジュニパーベリーは鹿肉と非常に相性がよく、長い煮込みの中で野性味を心地よい香りへまとめます。
煮込みは沸騰させ続けず、弱火で静かに。脂が少ない肉なので、強火で煮続けると硬くなりやすくなります。
カロリーは材料全量から算出した1人前あたりの概算です。


鹿肉のスペッツァティーノについてマスターの言及


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記事内食材解説・補足
オリーブオイル[olio di oliva]オリーブの果実から搾油して作られる植物油です。イタリア料理では加熱調理や仕上げ、ドレッシングなど幅広く使用されます。

ジュニパーベリー[bacche di ginepro]別名ねずの実。ここで登場するのは、セイヨウネズなので、日本の杜松(ねず)とは実は種類がことなります。洋酒のジンの香り付けや、肉料理、ドレッシング、ザワークラウトなどに用いられます。普段あまり使うことが ... [詳細解説へ]
読み方:バッケ・ディ・ジネープロ
代用品:ローリエ
セロリ[sedano]読み方:セーダノ
分類:香味野菜
ニンジン[carota]読み方:カロータ
分類:香味野菜
ニンニク[aglio]読み方:アーリオ
分類:香味野菜
ブロード[brodo]イタリアの出汁のことです。 ブロードの作り方はこちらなのでご確認下さい! フランス語のブイヨンはブロードのことなので市販のものを使う事はOK(肉のブロード)ですが、コンソメは味付けがなされているのでタ ... [詳細解説へ]
読み方:ブロード
分類:出汁
ローズマリー[rosmarino]強い香りが特徴のハーブ。羊肉、豚肉、イワシやサバなどクセの強い素材の臭み消しに役立つ一方、素材の風味づけにも使います。トマト、ニンニクなどとも相性が良いです。
読み方:ロズマリーノ
分類:香草
代用品:タイム|バジル|オレガノ|セージ|ローリエ
[sale]料理の味付けやパスタの茹で湯に使用する基本的な調味料です。

玉ねぎ[cipolla]読み方:チポーラ
分類:香味野菜
胡椒[pepe]読み方:ペペ
分類:香辛料
赤ワイン[vino rosso]赤ワイン。煮込み料理やソースでは、肉の旨味を引き出し、酸味と香り、コクを加えるために使われます。

鹿肉[cervo]鹿肉(cervo)は、イタリアでは山間部や狩猟文化のある地域を中心に用いられる野生肉のひとつです。脂肪が少なく、鉄分を思わせる力強い旨味と独特の香りがあり、赤ワイン、ジュニパーベリー、ローズマリーなど ... [詳細解説へ]


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