Pancetta fatta in casaパンチェッタ・ファッタ・イン・カーザ
自家製パンチェッタは、熟成期間が最低でも4週間ある為、完成までに最低40日以上の期間が必要となりますが、その調理方法は比較的簡単で、作業そのものもあまりありません。
その為、豚バラ肉や豚トロ(その場合はグアンチャーレができあがります)のブロックがお安く手に入った場合には是非とも仕込みたい一品です。
個人的な見解ではありますが、日本においてはパンチェッタは非常に高く、そしてあまり満足度の高いものが手に入らないと言えます。
この自家製パンチェッタで本場で食す美味しいパンチェッタと変わらない味を堪能できます。
パンチェッタは通常、塩漬けに加えてスパイスやハーブを塗り込んで仕込む方法もありますが、僕は調理する品に合わせて万能的に対応できるように、通常、胡椒と唐辛子で仕込むようにしています。
理由は他のハーブで仕込む場合、アンティパスト等としてパンチェッタそのものを楽しんだり、クロスティーニの具材とする等の場合は問題ないですが、料理に使う前提だとその対象料理に合わないハーブも出てきてしまうからです。
香草を使う場合には参考にしてみてください。
尚、プロの手によるパンチェッタ作りにおける最適な熟成期間は小さなもので50~60日、大きなパンチェッタの場合は90~120日とされています。
パンチェッタの原産地呼称保護(DOP)
ピアチェンツァ県の典型的なサラミで、円筒形で重さは4~8kg。ロンバルディア州およびエミリア ロマーニャ州の領土内、加工地域はピアチェンツァ県のみです。味は非常に独特で、脂肪の割合が多、甘くてわずかにスパイシーな香りと風味があります。
生産地域には、カラブリア州全域。生産に使用される豚は、カラブリア州、バジリカータ州、シチリア島、プーリア州、カンパニア州の地域で生まれ、最長生後4か月からカラブリア州で飼育され、その後カラブリア州で屠殺され加工された豚である必要があります。唐辛子の存在により表面が赤く、内部はピンクがかった色調で、脂肪部分と赤身部分が交互に並んでいます。強烈な香り、旨味があり、繊細に甘く、芳香・辛味もあります。
保存期間
パンチェッタは適切な措置を行い最低熟成期間が4週間ですが、これはカットをしていないからです。
完成後には、肉をカットします。カットした後は冷蔵保存で概ね1か月程度の保存期間と考えましょう。
大量に作り、1か月では食べきれない分に関しては一回の調理で使うであろうサイズにカットして冷凍保管をお勧めします。
注意喚起(不確定)
日本語圏での自家製パンチェッタのレシピのその殆どが塩抜きの際に水洗い・水にさらすという内容になっているのですが、それが非常に気になっており、SNSでふれた下記のPOST後に集まった情報からも、やはり危険性がありそうな予感を高めるものばかりした。
皆様は当サイトのこのページで紹介する手順(レシピ)でパンチェッタを作られますようお勧めいたします。
食材・分量表記載の数値について補足
このレシピの分量は、豚バラ肉3KGで作りましたが、パンチェッタ使用料理の一食当たりの分量は概ね30~80g前後、29~75食分です。4名家族用くらいの分量でしょうか。カロリー計算は出来上がりのパンチェッタ30g(75食相当)当たりのカロリーです。
尚、各作業、特に肉に触れる際には、必ずビニール手袋等の調理用の手袋をして行いましょう。
自家製パンチェッタ材料75人分
岩塩150g
黒胡椒20g(代用:白胡椒も可)
チリパウダー20g
白ワインビネガー又はビール適量
1人分:約97カロリー
自家製パンチェッタ調理工程(約57600分)
僕は調理に合わせてパンチェッタを使いわける為、一つは胡椒で作くり、もう1つは唐辛子で作くる予定です。
唐辛子用に塩 75 g とチリパウダー 5 g を入れて、胡椒用に塩75g と胡椒5g を入れて塩漬けの準備をします。
それぞれを混ぜ合わせて準備した後、新鮮な豚バラ肉をとり、混合物(塩・胡椒)を全面に入念に塗り込み、肉を注意深くマッサージしながら丁寧に余すところなく塗り込みます。
もう一枚の豚バラ肉にも同様に混合物(塩・チリペッパー)を入念に塗り込み、マッサージしながら全面に余すことなく混合物を塗り込みます。
2つの塩漬け肉が型の底に触れないように、トレイの内側に網を傾け(ずらして重ねる)空間を確実に確保するようにします。
受皿となるトレイは塩漬け肉を冷蔵庫で休ませている間に肉から出てくる大量の液体を集める役割があります。
塩漬け肉を冷蔵庫に移して6日間置きます。
4日目くらいまでは特に多くの水分が塩漬け肉から出るので、毎朝2枚の肉を裏返し(毎日網に着く面を替える)、そしてトレイを洗うことを忘れないようにしてください。
次に、肉についた水分を吸収紙でよく乾燥させ、室温で約 2 ~ 3 時間乾燥させます。
乾燥が終わったら、ナイフを使って肉の角に穴を開け、その穴にキッチン紐を差し込みます(次の工程で吊るします)。
胡椒のパンチェッタ用肉には、食材量の残量である約15gの胡椒を丁寧に塗り込み、もう一方の唐辛子のパンチェッタ用肉には残量の約15gのチリペッパーを丁寧に塗り込みます。
肉をフックに吊り下げ、約20〜22℃の温度で4日間乾燥させます。
釣り上げた肉の下にベーキングトレイを置き、肉を乾燥させている間に垂れる液体を確実に受け止めるようにしておきます。
4日間が経過して十分に肉が乾燥したら冷蔵庫に入れて熟成させることになります。
つまり出来上がりは2本合計約2.1~2.3kgになります。
自家製パンチェッタの調理ポイント
熟成期間がある為、完成まで最低でも40日以上かかりますが、作業そのものは少なく、簡単で絶品ができあがります。
最初期の塩漬け時と塩抜き、吊るし乾燥時期は毎日確認しつつ、簡単な処理を行いますが、最初の10日間だけです。
完全な室温にさらすことになる肉の吊るし時期(7~10日目)に関しては室温20~22℃がベストとされていますので、温度管理にご注意ください(それ以外は冷蔵庫)。
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